血圧の話(3)最高血圧と最低血圧の意味

以前、高血圧と年齢やストレスとの関係について<血圧の話(1)/血圧の話(2)

ご紹介しました。

そこで、「血圧の最高と最低の意味は?」「どれくらいが高血圧?」といったご質問が

ありましたので、今日は、そのお話を簡単にさせていただこうと思います。

 

血圧というのは、血液が血管の内壁を押す力(=圧力)のことです。

血液は、心臓から送り出せれます。

心臓は、血液を送りだすために、筋肉をギュッと収縮させます。

この心臓の筋肉が収縮した時に、血管が受ける圧力のことを、「収縮期血圧」と言います。

これが、「最高血圧」です。

 

一方、心臓は、筋肉を拡張して膨らまて、次に送り出す血液を溜め込みます。

この心臓の筋肉が最も広がった時に、血管が受ける圧力のことを、「拡張期血圧」と言います。

これが、「最低血圧」です。

 

私たちは、血圧の話をするときに、よく「上が○○で、下が○○」という言い方をしますね。

これは、正確に言うと、

 ・上の血圧=最高血圧=収縮期血圧

 ・下の血圧=最低血圧=拡張期血圧

ということになります。

 

 

血圧が高いか低いかという判断は、最高血圧(収縮期血圧)と最低血圧(拡張期血圧)の

両方を考慮する必要があります。

 

日本高血圧学会による最新のガイドライン、「高血圧治療ガイドライン2014」によりますと、

高血圧とされる場合は、若年、中年、前期高齢者(65~74歳)で、

診察室での計測の場合、

 「最高血圧(収縮期血圧)が140㎜Hg以上」または

 「最低血圧(拡張期血圧)が90㎜Hg 以上」のどちらかとなります。

なお、家庭での計測の場合は、

 「最高血圧(収縮期血圧)が135㎜Hg以上」または

 「最低血圧(拡張期血圧)が85㎜Hg 以上」のどちらかとなります。

 

ガイドラインは、5年ごとに見直しがなされるそうです。

数値の目安については、この他に、年齢や病気等別に設定されていますので、

関心のある方は、日本高血圧学会のホームページをご確認下さい。

(ガイドラインの電子版も公開されています)

 

また、血圧については、最高血圧(収縮期血圧)と最低血圧(拡張期血圧)の差も

話題になりますね。

一般に、動脈硬化などで血管が細くなってしまっていると、血管に余分な圧力がかかり、

最低血圧(拡張期血圧)も高くなり、最高血圧(収縮期血圧)と最低血圧(拡張期血圧)

の差(脈圧)が小さくなると考えらえています。

よく、「最高血圧と最低血圧の差が小さいと要注意」などと言われるのは、このためです。

 

ですが、先日のお話しのように、最高血圧(収縮期血圧)は、加齢とともに上昇する傾向に

あります。

一方、最低血圧(拡張期血圧)については、60歳あたりから下がり始める傾向にあります。

ですので、高齢者の場合は最高血圧(収縮期血圧)と最低血圧(拡張期血圧)の差(脈圧)

が大きくなっていくというのが、一般的な傾向だそうです。

 

最高血圧(収縮期血圧)と最低血圧(拡張期血圧)の差(脈圧)についても、単純に、

その数値が小さいか大きいか、ということだけで判断してはいけないのですね。

 

血圧は、1日のうちでの変動が大きく、同じ日であっても、時間帯によって数値は異なります。

食べた物やその時の心理状態の影響も受けます。

自宅では正常値なのに、病院で医師や看護師さんに計測されると血圧が上昇するという

「白衣高血圧」というものもあります。

 

自分の血圧を確認することはもちろん大事ですが、数値だけで自己判断はせずに、

自分の血圧の数値が意味することについて正しい理解ができるように、不安なことや

不明なことは、担当医に確認して、投薬やライフスタイルの見直し等を行うようにしましょう。

気にしすぎることもストレスになりますので、ほどほどに・・・

 

ヨガは、運動不足の解消だけでなく、生活習慣やものの考え方、受け止め方の見直し・改善を

行っていくものです。

血圧が気になる方には、とってもオススメですよ。