瞑想の話(2)目を閉じて見えるものを確認する

昨日は,瞑想は,物事としっかりと見据えることから始まるということ,

そして,その第一歩として,目からの情報をいったん遮断する時間をもつこと,

についてお話しました。

 

今日は,その次。

目を閉じたら,自分の目の前には,いったい何が見えるのか確認します。

「そんなの,何も見えないに決まってる!」

と思われるのが,普通ですよね。

 

ですが,本当に「何も見えない」ということは,実はありえません。

気絶したりして意識を失っていれば,本当に何も見えず,目の前は真っ暗ですが,

私たちに「意識」がある限り,目を閉じても,目の前に「何か」が見えます。

 

実際に目を閉じてみると,いわゆる「真っ暗」な状態ではないことが分かると思います。

少し白っぽかったり,何かの影や線のようなものが見えたり・・・

目を閉じる直前に見ていたものの,残像のようなものがうっすらと見えたり・・・

 

こうして,目を閉じても,真っ暗闇で何も見えないという状態ではないことを確認したら,

今自分に見えているものを,自分の言葉で,頭の中で表現していきます。

 

これを続けていくと,目から入る余分な情報に振り回されずに,目の前にあることを,

「本当に自分の目でみる」ということができるようになっていきます。

物事を的確に判断する力や集中力がつき,物事をしっかり見据えることが

できるようになります。

 

現代社会に生きる私たちは,あふれかえる情報に振り回されがちです。

1日のうちで,本当に,たった1分でもいですから,自分の意志で目を閉じて,

目から入る情報を遮断し,目を閉じた状態で見えるものを確認する時間を

持ってみましょう。

 

目の前のことにだけ集中するため,それまで悩んでいたことや,まとまらない考えから

意識が離れて,気持ちがリセットされ,目を開けた時にはすっきりしますよ。

誰でも,どこでも,簡単にできる,瞑想への第1歩です。