慢性的な痛みの話(2)痛みがあっても、生活を楽しめるように

昨日は、慢性的な痛みには、心が関係している場合もあるというお話でした。

今日は、こうした心因性の慢性的な痛みとどう向き合うかというお話をさせて

いただこうと思います。

 

抑圧した感情、長期化したストレスは、心を緊張させて、緊張した心は

自律神経のバランスを崩してしまいます。

それが「痛み」として表面化した場合、筋肉などの組織や神経が傷ついている

というわけではないので、薬などが効かず、いつまでも痛みがひかないという

ことになります。

 

私たち人間には、脳が痛みを感知すると、ドーパミンという物質が分泌され、

ドーパミンによって内因性モルヒネが出て痛みが止まる、という機能が

備わっています。

 

しかし、この機能は、深い悲しみや強い怒り、人間関係上の不安や緊張、

自分の中に抑え込んだ感情といったストレスの長期化によって低下して

しまうとされています。

 

レントゲン等でも何も異常はないし、薬も効かない・・・となると、

いつまでもひかない痛みを抱えて、いったいどうしたらいいのかと悩み、

不安や絶望感に苦しむ人も多いと思います。

そして、その不安や苦しみがまたストレスとなり、痛みが増す・・・という

悪循環を繰り返すことになります。

 

切ったとか折れたという、肉体上の傷の場合は、その傷が治ることで、

痛みも完全とまではいかなくても、軽減していきます。

心因性の痛みの場合は、そう簡単に痛みを軽減することは難しいとされています。

 

痛みの原因の特定や、ストレス源となるものを完全に排除するということは、

現代社会に生きている限り、とても困難であるからです。

では、心因性の慢性的な痛みを抱えている場合、その痛みとどのように付き合って

いったらいいのでしょうか。

 

まずは、痛みをなくそうとか消そうという思いを捨ててみましょう。

痛みがあったっていい、ストレスにさらされると痛みを感じてしまう自分でいい・・・

「今の自分でいいんだ!」と、痛みを抱えている自分を認めてあげる、受け入れてあげます。

 

 

慢性的な痛みを抱えていると、どうしても動きを制限してしまい、運動どころか外出さえも

控えるようになりがちです。

動かなければ、関節は固まり、筋肉も落ちてしまい、ますます動けない体になっていって

しまいます。

 

痛みを抱えている自分を認め、その今の自分でできる範囲で動いていくように心がけましょう。

運動はドーパミンの量を増やしますので、内因性モルヒネも出るようになりますよ。

 

当教室のヨガは、自分の体の状態を意識しながら、呼吸に合わせてゆっくりと無理なく体を

動かしていきますので、オススメです。

レッスン中は、自分の呼吸と体に集中するので、ストレス源になっていたことからも離れる

ことができます。

また、ストレスのとらえ方についても、折に触れ、お話しさせていただいています。

何よりも、今の自分を受け入れ、そして、できないことよりもできることを見つけていきます(^^)

 

もちろん、慢性的な痛みが全て心因性の痛みであるとは断言できません。

痛みを感じたら、まずは、医師の診察を受け、十分な検査とそして説明を受け、

分からないことは質問しましょう。

そして、主治医の先生と相談しながら、痛みをなくすのではなく、日々の生活の質

(QOL: Quality of Life)を向上させていくことを目指していきましょう!