季節の単語を、1つずつ

日本人ほど季節感を大切にする民族もないなぁと、折に触れて思いますが

生徒さんたちも季節ごとの自然の変化には、私などよりずっと感性が豊かで

「そろそろあじさいが見ごろよね」「梅が出始めましたね」という会話を聞くたび

日本人は自然とともに生きているんだなぁとしみじみ思います。

 

英語をはじめ、他の言語には、日本語ほど季節の機微を表わす表現はありませんが

花や果物の名前など、皆さんふと気になるようで

時折「●●って英語でなんていうんですか?」という質問が出ます。

私も日常的に気にするようにしているので、たいていの場合はお答えできるのですが

先日は「枇杷って英語で?」という質問に「はて?」と思ってしまいました。

前に一度調べたことがあったんだけど、なんだっけなぁ…

で、その場で調べてみると、そうだった、「loquat ロゥクヮッ(t)」でした。

 

ただ枇杷は中国原産らしく、あまりアメリカやヨーロッパで見ないんですよね。

私はスペインに住んでいた時期があるのですが、スペイン語では níspero(ニスペロ)と言いまして

しかしスペインで売っている níspero は、日本の枇杷とは違ってもっと丸いんです。

枇杷というより、小さいカリンに近い感じでしょうか。

この間スペインで日本と同じ枇杷を見かけた際は、堂々と「BIWA」って書いてありました(^^;

(最近は柿もヨーロッパ各地でKAKIとして売っているのを見かけます)

国が違えば、食べるものの概念も違う。

多分、アメリカ出身の方に loquat と言っても、見たことがなくてピンと来ない人が多いと思います。

そういうのがまた興味深かったりもするのですが。

 

それでも、日本の四季の移り変わりに関するものごとを、英語で考えてみるのは楽しいですね。

今であれば、枇杷をはじめ、無花果(fig)、そろそろ西瓜 (watermelon)、

花であれば紫陽花 (hydrengea ハイヂュレンヂャ)、つつじ (azalea エゼィリア)、水連 (water lily)

文章じゃなくても、単語だけでも、1つだけで十分なので

好きな果物や花など、季節に関連して気にしてみるのもいいかもしれません。

難点は、思い出す機会が1年に1回しかないことですが

まぁ来年また調べればよいことですから、お気楽に、脳トレ替わりにやってみてはいかがでしょう。

味気ない英語の文章より、よほど楽しいと思いますよ。