通訳でも分野が違うと大変です

今日本語を教えているジャマイカ人の生徒さんから

"Can you talk with my ortho?" とLINEが入りました。

ortho って何?知らない。。。

しかも辞書を引いても 「直…」「正…」の意味の接頭語としかありません。

どういう意味?と、いろいろやりとりしてやっとわかったのが

orthodontic、歯科矯正のことで、彼女が通院している病院の先生と話をしてほしいとのこと。

ちなみに先生は正しくは口腔外科の方で、英語では oral surgery というらしいですが

どっちにしても一生使うことはなさそうな単語です。

 

で、病院に同行することになり、先日横浜労災に行ってきました。

顎に腫瘍があり、良性なものの、先を考えると取った方がいいということで

3月に手術をすることになり、その同意書や手続きなどについて通訳することに。

英語を教えてはいますが、医療関連での通訳はほとんど経験がなく

「腫瘍」という単語すらわからずに、なかなか苦労しました。

その場でスマホで調べたりしてなんとか切り抜けましたが

(腫瘍は tumor チュマァ と言うそうですね。初めて知った&二度と使わない気がする)

常用している薬やサプリメントの種類など、そうなるともうお手上げです。

入院手続や、それに関する注意事項など、いろいろ調べながら説明し

終わるまで2時間あまり、すっかりくたびれ果てました。

 

一つの言語をある程度話せるようになっても

今回のように何か専門の分野のことになれば、日本語ですらわからない単語がありますし

通訳ってほんとに難しい仕事です。

私のような観光通訳の方面を専門にしていると

お清め、ご利益、寿司ネタの魚の名前、おでんや肉まん などなど

ある程度英語を話せる人でも、いざとなるとなかなか思い付かないような

日本文化に密接した単語や言い回し、説明の仕方が得意になります。

英語が話せる=なんでも通訳できる ということではなく

観光、医療、産業関連、法廷など

それぞれに特化した通訳が存在するのも、当然のことですね。

今回は医療通訳の方を心から尊敬しました。

 

ちなみに、自分自身すこぶる健康で、ここ10年以上病院に行った記憶がないのですが

横浜労災は、診察券を機械に入れると自動受付で番号がふられ

モニターでその番号を確認して診察室に入り、精算もその番号で機械で払って終了。

世の中はこんなに進んでいるんですね…ちょっとびっくりしました。