やさしい日本語が英語につながる

先日ここでも触れた、日本語教室の生徒さんの手術ですが

先週実施されることになり、付き添いに行ってきました。

このご時世、基本的に面会は不可なのですが

通訳ということで、全く何のおとがめもなく病室に同行。

(それもそれでどうかとは思いますが…)

 

手術の前日からの入院で、その日は手術の説明と検査だけだったのですが

体調の確認、麻酔の種類の説明、食事や水の制限など結構説明を受ける内容が多く

前回同様、医療専門の用語も入ってくるので、通訳もまたまたひと苦労。

10時に病院に入って、ひととおり説明したら帰れるかと思っていたのですが

今から麻酔医の説明があるからもう少し、

執刀医の先生がこのあといらっしゃるのであと少し が繰り返され

結局病院を出られたのは夕方5時、お昼も食べずにへとへとでした。

 

それにしても、医療現場の日本語って本当に難しいですね。

英語ではなく、日本語が、です。

やたら漢字が多く、言い回しも独特で

英語に直す前に、まず日本語自体を理解する必要があるので余計に時間がかかります。

阪神大震災以降、「やさしい日本語」を普及する活動があるのはご存知でしょうか。

災害時など、きちんと意味を伝えなくてはならない場面で

「避難してください」より「にげてください」

「無料です」より「おかねはいりません」

日本語があまり得意でなくても、意味がわかるよう

文の構造や単語を単純にし、重要な情報を先に置くなどの工夫をした日本語です。

 

医療現場はある意味緊急時であり

外国人にとっては内容をちゃんと理解することが必要な場だと思うのですが

英語での説明の準備が整っていないのはやむなしとしても

せめてやさしい日本語での資料があれば

日本語が少しわかる方にとってはずいぶん助けになりますし

英語に直すのも、そちらの方がよほどやりやすいです。

「食後に1錠内服してください」より

「ごはんの後に1つ飲んでください」のほうが、英語にしやすそうですよね。

病院共通で作れるはずですから

こういうのを行政主導で作って配布したらいいのにと、強く思いました。

 

しかし、先生はまだしも、看護婦さんたちの英語拒否症は結構半端ないですね。

検診のたびに行う検温や血圧、口の手術なので口の中の状態チェックなどのセリフを

すべて紙に英語で書いてくださいとすがるようにお願いされ

「口内炎って何て言うんだ。。。」と悩みながら(canker sore でした)

A4用紙に日本語と英語の文章をひたすら手書きしてお渡ししました。

疲れましたが、お役に立てて何より。