「面倒をみる」の2つの言い方

先日、久しぶりに家で映画を見ました。

「ファーザー(原題:The Father)」という、2020年の作品で

日本では2021年に公開され、私も劇場で見たいと思いつつ逃していた映画でした。

認知症の老人の視点から、現実と記憶の中をさまよっていくような筋書きで

理解するのに少々頭を使うことが必要なのですが

主役のアントニー・ホプキンスの演技がすばらしくて

それだけでも見る価値のある作品でした。

彼はこの作品で、アカデミー賞の主演男優賞を獲得しています。

83歳での受賞。すばらしい。

 

アントニー・ホプキンスが演じる老人は、ひとりでアパートに住んでいるのですが

心配した娘が、介護人をつけようとします。

自分は大丈夫だと思っているアントニー、

「面倒を見る人なんか必要ない!」とかたくなに拒否するのですが

その際「世話をする」の意味で「look after」と言っていました。

あれ?「世話をする」は take care of を使わないのかな?と疑問。

調べてみると、いろいろな角度からの使い分けがあって

1.アメリカは take care of, イギリスでは look after 

2.義務的なお世話は look after, 気持ちの入っている場合は take care of

 

というのが主な違いなんだそうです。

映画の舞台はロンドンでしたので

イギリス英語ということで Look after が使われていたんですね。

意味的なところでの使い分けを考えると

「彼女は母親の介護をしています」であれば

She is looking after her mom. になりますし

「うちの息子の面倒を見てくれない?」であれば

Can you take care of my son? という感じですね。

また1つ勉強になりました。

 

ちなみに、ロンドンが舞台のこの映画では

アンソニーの住むアパートは「flat」と呼ばれています。

これもイギリス英語で、アメリカだと分譲なら condo, 賃貸なら apartment が普通です。

クラスでもお伝えしていますが、日本語の「マンション」

英語でも mansion という単語がありますが

意味は「大豪邸」マイケル・ジャクソンが住んでいそうな家のことです。

英語で「I live in a mansion.」なんて言うと

とんでもない大金持ちってことになっちゃいますので、お気をつけて。