呼吸は、「吐いてから吸う」を意識しましょう

私たちが生きていくうえで、なくてはならないのが呼吸です。

そして、その呼吸は、私たちが意識しなくても、自然に行われています。

ですので、普段から自分の呼吸を意識している方は少ないかもしれません。

 

ヨガでは、肉体面からだけでなく、心と体が繋がっていることを示すものとしても、

呼吸を大変重要視しています。

医師などの専門家により、ヨガで行っているような呼吸が、疲れた心と体を癒す効果がある

ということが、科学的に証明され近年、呼吸法に対する人々の関心も高まっているようです。

 

ここで皆さんに意識していただきたいのは、「ゆっくり吐く」という呼吸法です。

ゆっくりと吐く腹式呼吸が、単に体内への酸素の取り込みだけでなく、心身のバランスを

整える作用があることを、東邦大学名誉教授の有田秀穂氏(脳生理学者・医師)が、

著書の『医者が教える正しい呼吸法』(かんき出版)で大変詳しくご紹介されています。

 

有田先生は、私がヨガの講師資格を取得する際に、瞑想や呼吸法が心身に与える効果に

ついて講義して下さったのですが、セロトニン研究の第一人者でもあります。

セロトニンは、心のバランスを整え、ストレス下にあっても平常心を保つという重要な役割を

果たしている脳内物質です。

 

私たち現代人が日常的に行っている浅く速い呼吸は、このセロトニンを減少させてしまい、

心身の不調を招くとされています。

セロトニンを増やし、心身のバランスを整える呼吸が、「ゆっくりと吐く」という呼吸なの

です。

 

ヨガでは、まず、普段当然のこととしている呼吸を「意識する」ことから始めます。

そして、その呼吸を、自分で「ゆっくりと吐く」呼吸に調整していく練習を繰り返して

いきます。

ここで気をつけたいのが、「ゆっくりと深い呼吸」とは、「いっぱい吸う」という意味では

ないということです。

 

いっぱい吸うのではなく、「ゆっくりと、そしてしっかり吐き切る」こと。

そして、「吐ききったら吸う」こと。

この腹式呼吸を繰り返していくことで、セロトニンがたくさん増え、心身のバランスが整って

いきます。

 

ぜひ、みなさんも、呼吸は、吸う方ではなく、吐く方を意識してみて下さいね☆